ゆりあ先生の赤い糸 あらすじと無料で読む方法
ゆりあ先生の赤い糸 レビュー30代女性
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『ゆりあ先生の赤い糸』の主人公は、
伊沢ゆりあという50代の主婦です。
ゆりあは作家である夫の伊沢吾良(通称・ゴロー)、
義母と3人で平和に暮らしていました。
ゆりあは時たま、子どものころに習っていた
バレエのことを思い出しますが、
現在の自分は平凡な生活が一番だと思っていました。
夫のゴローが、突然の急変で病院に運ばれる日までは。
意識が戻らなくなってしまった夫の看病を始めてから、
ゆりあは夫が家庭の外で作っていた
人間関係と向き合わざるをえなくなっていきます。
『ゆりあ先生の赤い糸』の1巻では、
ゆりあの感情描写に心を揺さぶられます。
読んでいるとゆりあのモノローグ
(心の中で思っているけれども、口にはしない・できないこと)が多く、
相手には言えないけど、こういうこと思ったりするよね、
という場面がたくさんあります。
夫と一緒にいた人から聞きたいことがあるのに、
相手に気を遣って口をつぐんでしまうところには共感しました。
また、夫のようすを医師から聞いている間、
ショックで意識が遠くなってしまい、
相手が何を言っているのかがわからなくなる場面には、
それだけ夫のことが大事なのだなあというゆりあの気持ちが、
ひしひしと伝わってきました。
こうしたひとつひとつの出来事に対する
ゆりあの心理描写が細かく丁寧なので、
話の進みかたもゆったりとしています。
しかし、話の最初のほうで語られていた人物や出来事が、
後の話になって効果をあらわすことが多いため、油断はできません。
特にこの巻で問題になってくるのは、
夫が倒れた時につき添っていた箭内稟久(やない・りく)という青年です。
箭内は背の高い二枚目で、
女性から感じが良いと言われる好青年です。
ゆりあから夫との関係を聞かれて
はじめは口をにごしていた箭内ですが、
数日経ってから
「あの日ゴローさんと僕はホテルに行きました」
と告白します。
この漫画はゆりあの視点から描かれているため、
場所は自宅や街中など、ごくごく普通の風景です。
しかし、そうした日常の中で不意に
「どうしてこんなことが起こるのか!?」
と思うような展開になるため、
ついつい続きが気になってしまいます。
ゆりあ先生の赤い糸
夫の急病で日常が変わってしまった
主人公の気持ちに共感してしまう人や、
先の展開が読めない面白さを楽しめる人には合っている漫画だと思います。