笑うかのこ様 白泉社 辻田りり子 負のオーラ満載の女子社会
笑うかのこ様 ネタバレレビュー 40代女性
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転校を何度も繰り返すため、
クラスでもいつも一人の中学生・苗床かのこ。
その目的は完全なる傍観者として周囲を観察することでした。
おかっぱ頭で半月メガネをかけたかのこが、
転校先の学校で悪を懲らしめていきます。
正義感が強いわけではないし、
本人はただ面白いことが大好き、
人間観察が大好きなだけで、
周りの人間が右往左往するのを喜んで観察する
完全な傍観者になろうとしていました。
しかし、転校先の個性的な人々、
優しい人々と関わるうちにただの傍観者だったかのこは、
卑怯な行動や不正を暴き、
裏で主人公的な人物たちを支える役目をするようになります。
初めは絶対に相容れないと思っていたイケメンの椿くんは、
かのこに興味を抱き、かのこが転校する先々に現れるようになります。
傍観者として何にも関わらなかったかのこが、
友情の大切さを知り、不正や卑怯な行動に憤り、
自分の集めた情報で友人たちのピンチを救っていく様子は
見ていてとても痛快です。
かのこに興味を持ち、かのこを追いかけるようになった
椿くんの気持ちの移り変わりも
見ていて微笑ましくほっこりします 。
かのこの周囲に対する深い考察、鋭い観察眼、
目的のためには手段は選ばないその手口は鮮やかで、
モヤモヤしていた気持ちもスッキリと
吹き飛ばしてくれる痛快コメディ作品です。
3巻完結なので、一気に読めちゃいます。