虐待の家 なかのゆみ 漫画あらすじネタバレレビュー~おぞましい虐待の連鎖
虐待の家 なかのゆみ 漫画詳細
虐待の家 なかのゆみを無料で読む方法
この漫画はebookjapanで無料試し読み可能です。
こういう同じようなニュースを見るたび心が痛みますが
それと同時になぜか、漫画を読んでいる自分がいます。
は無料試し読みが重たいので、購入してゆっくり読む方が快適です。
虐待の家 1巻の内容
虐待、病気など社会的なテーマの作品で定評のある、なかのゆみ作品集。度重なる虐待から心の中にいくつもの人格を作り出してしまった少女が母親になった時、繰り返される悪夢を描く「無数の棘」、両親に認められなかったことから過度の承認欲求不満に陥り我が子を愛せない「心の穴」など、5作品を収録。虐待の連鎖に迫ります。
レビュー1
「虐待の家」
幼児虐待
自分の子供に対して虐待を
している親は虐待の自覚は無い。
自分は子供に対して躾をしている。
何も悪いことはしていない…。
「何が間違っているんだ!」
そう思っているケースは少なくないのだ。
何度も言い聞かせているのに子供が
失敗すると、暴力で振るう。
じっとしていないから、ベランダに
放り出して中から鍵を閉める。
そう、自分自身がそのような教育を
受けてきたので同じようにするのだ。
子育ては、学校で教えてくれないの、
自分が受けてきた教育が
ひとつの指針となり、それを受け継いで
いくものなのだろう。
しかし、行き過ぎた教育的暴力は
虐待になるのだ。
特に親の感情に任せた教育的暴力は
周りからも躾の範囲を越えているように
見える。
本編でも、母親は幼いころからの
虐待により心に大きな闇を抱えて
生きてきた。
働かない父親は執拗に虐待を繰り返した。
泣くと外に犬小屋にいれられ家から
閉め出され、
中学生になる頃には毎日のように
レイプされるように…
いつしか現実逃避するようになる。
自分の中にいくつもの人格を
形成し、虐待を受けている間は
別人格の少女か身代わりになって
いることにする。
そうして、心とカラダがバラバラに
なっていってしまったのだ。
改めて、虐待について考えるいいきっかけ
となりました。様々な話がオムニバスと
なっているので、どこから読んでも、すぐに引き込まれる内容でした。
レビュー2
虐待の家 1巻
独立したストーリーが5本収録されている
オムニバス形式のコミックです。
その中の一つ、「無数の棘(とげ)」を
ご紹介します。
自分の幼子を虐待する母親ですが、
例によって彼女自身も幼少期に父親から
虐待されているという、負の連鎖です。
誰もが
「どうして反面教師にできないのか?」
と思うのですが、
この疑問に対する回答や
子どもの発達のメカニズムなど、
素人にもわかりやすく解説してくれているので、
虐待問題に初めて直面した方でも
すんなり読めると思います。
そして児童相談所不足という問題提起もあり、
そう簡単には児童虐待を解決できないな、
と思わざるを得ません。
いろいろ原因はあると思うのですが、
やはり幼児虐待の根本原因は
親が大きなウエイトを占めているのです。
親が変われば子供も変わる。
いい意味でも悪い意味でもそう思ってしまう作品です。
物語では、
親の虐待から自分を守るため生まれた
悲しい病気も明かされます。
これはフィクションなのか?
ノンフィクションなのか?
どちらにしても息が詰まる展開です。
憎しみが悲しみを生んでしまうのは
本当に悲しいものです。
そんな事態を少しでも防ぐため、子を持つ親御さんには
ぜひとも読んでいただきたい作品です。
レビュー3
虐待の家
私はこの中の「無数の棘」を
読みました。
私にも8才になる娘がおり、
この母親の気持ちが痛いほど
よくわかります。
私が子どもの時代も親からは
叩かれて躾されるのが普通で
自分もいざというときには
手が出てしまいがちです。
本当はいけないことなのでしょうが
ある程度はいた仕方ないことなのでは?
と、思ってしまう派です。
ましてやこの主人公のように
親から虐待を受けてきたら
余計に自分と同じように
躾てしまいそうです。
「虐待と躾」
どのような違いがあるのでしょうか?
躾と教育にはやはり親の愛情があり
虐待には親の感情しかないように思います。
虐待には親の機嫌だったり、好き嫌いが
あったり…
決して子どもの成長に繋がるものでは
ないように思います。
このマンガでは主人公が
多重人格で現実の苦しい部分から
目を背けるために他人を宿らせる
ところがあります。
幼い頃に受ける強い衝撃は
時にその人物の精神状態を
崩壊させることもあるのだと、
痛感しました。
私も娘にカッとなったら
10秒数えて心を落ち着かせ
それから叱るようにしたい
と、思います。
これまでの子育てを振り替える
よいきっかけになりました。
同じぐらいの子どもを持つ
友人たちにもこの本を勧めたい
と思います。